2023

鐵軌上的男人 / The Man on the Tracks

4K・単チャンネルのカラー映像、音声あり、26分32秒

30秒の抜粋

甘耀明の短編小説《神祕列車》に着想を得た本作は、邱子晏が幼少期を過ごした苗栗・三義の旧山線沿線での経験と家族の記憶を、鉄道を生活の糧とする男の物語へと転換する。使われなくなった線路は地域の時間を担い、十分には語られてこなかった白色テロの経験を呼び起こしながら、映像の物語が展開する場となる。

夢のような物語のなかで日常生活と表立って語られない歴史的経験が交錯し、政治的迫害の被害者の家族が、過去の影響をどのように引き受け、その後も抱え続けていくのかに目が向けられる。映画は旧山線をたどって戒厳令の記憶を振り返り、白色テロがどのように伝説や家族の記憶となり、あるいは個人の日々の実感へと内面化されるのかを問う。虚構の登場人物と地域での経験を織り交ぜることで、公式の歴史には書き込まれず、それでも傷痕を残し続ける出来事に、想像のなかでの居場所を与える。

作品の関連情報 ↗