2023

車廂 / Carriage

4K・三チャンネルのカラー映像インスタレーション、音声あり、15分

30秒の抜粋

木造の鉄道車両と三チャンネル映像によって鑑賞空間をつくり出す作品である。鳳甲美術館での展示では、鑑賞者は組み立てられた車両のなかに座り、一方の車窓から関渡平原の実際の風景を、もう一方から映像による沿線の歴史的風景を見る。現実の眺めと映像のなかの旅が同時に展開し、映像を見ることが、異なる時間と空間を横断する乗車体験となる。

映像は列車で旅する老夫婦を追い、鑑賞者を、車内の出来事に出会う第三者の位置へと導く。セット、演技、複数の視点によって、並行する時間と空間が展示の場で交わる。木造のセットに残る制作の痕跡も、この旅がいかにつくられたかを鑑賞者に絶えず意識させる。移動しながら見る経験を起点に、直接経験したことのない歴史を、断片、距離、想像を通じて再び浮かび上がらせ、現在の身体的経験へと結びつける。

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